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第17回

 

昼過ぎ

ダウンのロングコートに黒のロングブーツ、おそらくディアスキン(鹿革)の高級手袋をしたマダムが叫んでいる。駅近くの建設現場前で休憩中の作業員にである。なんだなんだおもしろそうだと野次馬根性汚らわしい僕は足音を殺してそそっと近づいて会話を盗み聞く。

「品川区は路上喫煙禁止ですけど? あなたたちのようなルールを守れない人がいるから日本がダメになるのよ!」

「毎日必死こいて働いて誰に迷惑かけてるってんだよ!タバコくらい・・・」

「汚らわしい! 地獄へ落ちろ!」

「だまれババァ! あっち行け!」

「地獄へ落ちろー!」

 

・・・これは本当に会話なのだろうか。

もし仮に僕が閻魔大魔王だったとして、そしてこの2人が共に地獄へ落ちてきたとしたらどういう判断を下すのが正解なのだろう。

「まぁまぁ2人とも落ち着いて、静粛に。ま、どちらの言い分も分かるんだけどね、どっちもどっちって言うかね。ま、お互い非があるってことで仲良く地獄に落ちようよ。針山地獄で許してあげるからさ」

「なんで私がこんな奴と一緒に地獄に行かなくちゃいけないのよ!」

「そうだ!閻魔さん、俺は何も悪いことはしちゃいねー!毎日必死こいて働いて・・・」

「あー、もううるさい! 早く落ちんかい!!!」スイッチオン!(床の扉が開く)

「あーーーーーれーーーーーー!!!!!!」

 

針山地獄 同じ境遇に立たされた二人はこうして

恋に落ちた。

 

 

なんじゃそりゃ

 

 

第16回

 

 

週一回ほど利用する近所の古ぅ〜い定食屋はまぁまぁのボリュームを出す店で、しかも、ご飯のお替わり一杯無料なので大変重宝している。今日は週一回のその日。店に入る前から「今日はご飯お替わりするぞぉ!」と心に決めていた。なぜなら、今日この後体力がいる作業が残っているので、しっかりとした栄養を取らないととても乗り切れないと思ったのだ。ガラララ… 店に入るなり「モツ炒め定食、ご飯大盛りで!」と勢いよく注文する僕。「はぁい、いつもありがとね」とシワだらけの老人。プルプルとしている。「おまちどうさま、モツ定ご飯大盛り」「おぉ、いっただっきまぁす!」

・・・げふぅ。お腹をさすりながら「お会計お願いします」と言えばプルプル老が「はーい、800円になります」と返してくる。

、、、、なに?

「あれ、750円じゃなかったでしたっけ?」

「ご飯大盛りは50円アップなんですよぉ」

「あー、、そうなんですねわかりました。1000円からでお願いします」

整理しよう

750円の定食(ご飯お替わり一杯まで無料)

750円の定食 ご飯大盛り(+50円)(ご飯お替わり一杯まで無料)

という謎の値段設定だったのだ!

僕は最初注文時に、後でご飯のお替わりを頼むのがめんどくさいから先に一杯無料分のご飯をくださいね、というつもりで言ったのだが、この時僕はすでにプル老の巧妙なトリックにひっかかっていたのだ。大事な大事な50円を1枚剥ぎ取られてしまった。

50円

あぁ僕の50円

たかが50円

されど、、、

 

プル老、貴様の血は何色だ!!!!

 

 

第15回

 

 

どうしてもこれだけに集中したい作業というのが今あって、約1ヶ月ブログをほったらかしにしています。それももう少しで落ち着きそうなので12月中盤からまたボチボチとこのブログも更新していこう。うん。最近はねぇ、バイト以外の時間はほぼその作業作業作業・・・ぐぎゃあ。外に出ないとアカンね。自分だけの世界に閉じこもるから不安定になる。コンビニ食ばっかだから腹も出てきた、吹き出物も増えた。

煮詰まる、イライラする、外に出る、でも外に出たら出たで作業のことがちらついて不安になる。だからすぐ帰る。また作業、不安定。ループです。

でも、仕方ない。今まで自分が頑張ってこなかったことのしっぺ返しだ。

よし、作業!

あと少し・・・ぐでん

そうだ今からご褒美を考えよう。頑張った自分には甘〜いご褒美が必要だ。今一番欲しいもの、一番欲しいもの・・・う〜ん

5年くらい前なら即答で「女体!」と言っていた。隙を見つけては女の子に連絡していた。頑張ったご褒美に来月「はいどうぞぉ」と言われて女体を差し出された場合今の僕はどう答えるだろうか。

「いや、知りもしない人はちょっと・・・抱きたくないっすすいません」

なんて言ってしまいそうだぁ!!

大丈夫か僕!?  コンビニの食品添加物に精神がやられたのか!

僕は、子孫を残せるのか!?

僕よ、どうか牙を剥け!獣になれ!男だろ!負けんな!フレーフレー!!

あと少し!!

第14回

 

ない!…ないないないない!なーい!!!

僕が普段持ち歩くカバンの中には

2年前東京に再びやってくる際に友人達からもらったカンパが入っていた封筒(封筒には頑張れ!とサインペンで書かれていて感動的)、尊敬する人が何気に書いたメモ、最高に良いことが書かれまくっていたおみくじ2つ、そして2年前まで約10年間もお付き合いしていた女性から最後に会った日にもらったお守り・・・僕は基本的に女々しい男なので、いつもカバンにお守り(となるようなもの)をたくさん持っている。なんというか、大切な人達がいつも見守ってくれているような気になるし、もっと高いところへ僕が一緒に連れていってやるとも思っているし、まぁ単純にそういう気持ちの入ったものを捨てることなんてできないのだ。で、さっき雨で濡れてしまったカバンから荷物を出して整理していたところ

ない!…ないないないない!なーい!!!

最後に会った日「もう松本くんと一緒に過ごすことはないけれど、アナタはアナタのやりたいことをたくさん頑張って成功させてね。大丈夫アナタは頑張りやさんだもん」と言って僕に手渡してくれた、約10年間もお付き合いしていた女性からもらった芸道上達祈願のお守りが、ない!!はわわっ!!

・・・あ、そうか でもこれはお守りを無くす → 僕との縁が切れる、つまり、新しい彼氏ができたかもしくは結婚が決まったとか、そういう知らせなのかなと、彼女が新しい一歩を歩み始めたことをお守りが知らせてくれたのだとしたらとてもめでたいことじゃないか!と思って、女々しい僕は久しぶりにその子にメールして確認してみることにした。

「久しぶり。あの、突然なんだけど、最近何かいいことあった?」

するとしばらくして返信

「昨日、50対50の街コン行きました!」

 

・・・街コン

う〜ん、なんだかなぁ

ちぇーっ

 

20060319_144469

 

あるまじろぉ〜

 

第13回

 

今日の俺は気分がいい。

普段一人称が「僕」である俺が一人称を「俺」と言う時、それは気分がいい時だけだ。理由はないがなぜか気分が良い時だけ俺は俺のことを「俺」と言ってしまう。で、なぜ気分がいいかは、言わない。言ってしまうと「いい気分」が逃げていってしまいそうだからだ。しかし経験から分かる、「俺」の効力は長くは続かない。多分明日には「僕」に戻っているだろう。

気分がいいと心に余裕ができる。

さっきも方南町で深夜、歩道と横断歩道の間にある段でつまずいて倒れたオバさんにスッと手を差し出し、「大丈夫ですか?」と声をかけた。気分がいいと俺も人並みにそんなことができる。普段はしない。知らない人を触るのが嫌だからだ。まぁ、そのオバさんが手を差し伸べた俺を無視して起き上がり歩き出した時は一瞬「僕」に戻りそうだったがなんとか持ちこたえた。

あ、でも大丈夫。大金手に入れたとか、仕事が軌道に乗りそうとか、そういう類いのいいことが起こったわけではない。相変わらず生活はカス以下だ。安定の低空飛行。はっはっは。

 

…なにがあったか言ってしまおうか。

うん、言ってしまおう!

実は今日、好きな女性と少し会話をしたのだが、最初会った時落ち込んでいた(らしい)彼女が別れぎわ明るく笑って「元気でました!」と言ったのである。ただそれだけ。彼女は話せるなら誰でも良かったのかもしれない。しかし!俺と会話をして暗い気持ちが軽くなったのが事実だとしたらそれはつまり!俺に生きている価値があるということだ。

セックスなんてしなくていい。オナニーで充分だ。彼女が笑ってくれただけで俺は超絶ウルトラハッピーだ。

綺麗ごとを言いたいわけじゃない。(今、松本カッコつけやがってと思った奴は全員死になさい)

ほんとそれだけでハッピーなんだよ俺は。

一つだけ欲を言うなら…

君の彼氏になりたい。

僕は君の彼氏になりたい。

 

第12回

ドラマ「王様のレストラン」でシェフ役の山口智子が言うのである。

「男が夢の話をする時って、、女を口説いている時でしょう?」

ギャルソン役の松本幸四郎は図星であるのだが表情ひとつ変えずに夢の続きを話す。

彼女はそれを優しく笑顔で受け止める。

フォギーがかかった光を帯びた山口智子が最高に美しかったことを31歳になった今でも僕ははっきりと覚えている。

あ、本日31歳!イエーイ!

ーーーーー

 

高校2年の時、ひょんなことからドヤンキーの友達ができた。

性格も遊ぶところもまったく違うはずなのに、(彼は高2ですでにキャバクラに通っていた)僕らは妙にウマが合って、互いの不安な将来を話し合えるほどに仲良くなった。まったく田舎のヤンキーというのは、どんな独自のルートを持っているのか隣の隣の街のかわいい子の最新情報まで仕入れているもので、しかも田舎ではヤンキーというは異様に!モテるのだ。 現にそいつはその時、車を乗りまわす16歳のフリーターのシンナー吸ってる女の子(どんな女だ!)を含む、6人ぐらいと同時に関係を持っていたくらいだ。

で、そいつが、ある日「マッちゃんも彼女くらい作れよ!」と言い出して市内で一番頭のいい高校で一番かわいい女の子を紹介してくれるというのだ。「なんて名前?」「○○ちゃんっつーんだけど」「△中出身の○○さん!?知ってる!!一つ年下の!?マジ!?」イモ野郎の僕でも知ってるくらい有名なかわいい子だ。だいたいなんでコイツ、○○さんを知ってるんだ… まぁいい!!超ラッキィイー!!!!

・・・

話は飛ぶ

後日 ヤンキーの携帯に○○さんからこんなメールが

 

「紹介してくれた松本さん、自分の話したいことだけ話して、なんか急に夢の話とかしだして、スッキリしたのか「もう遅いから帰ろう」とか言い出してママチャリ立ち漕ぎで笑顔で帰ってったんだけど!笑   ヤバすぎ笑 」

 

ニヤニヤしながらヤンキーからそのメールを見せられた僕は次の日学校を休んだ。休んでやった!

しかし、授業が先に進んでいるのが不安でその次の日しっかり登校。

しかし、腹の虫が治まらない僕は

後日

ブスを抱いた(なんじゃそら)

 

というわけで、あれから特になんにも変わらず31歳になってしまった僕だけど、相変わらずカスな僕だけど、変わらず皆さんよろしくお願いしますね。

31歳は、おもしろいこと、たくさん計画中なんだ!

 

 

 

 

第11回

 

「チッ この手法はやり尽くされてるっての」

 

 

美術館に行ってきた。

若手写真家の日本一を決めるコンテストの展示会を見に行くためである。

僕も写真の世界に(一応)いる身としていつでも、若い作家が普段考えていることや、ブーム、制作にかけるエネルギーを知って感じて吸収して、自分の作るものへとアウトプットしたいと思っているのだ。それと同時に僕は美術館で展示を見る人をジッと見るようにしている。美術館に来る人はどういうふうに作品を見て、どういう感情を抱くものなのか、直接肌で感じたいのだ。

その日、展示を壁一面見終わって折り返して反対側の壁の展示を見ようと思った時、壁の端にある女性作家の写真展示を見ている男が2メートルは離れた僕にも聞こえるくらいの声量で

「チッ この手法はやり尽くされてるっての」

はっきりとそう言ったのである。

この男、そのコンテストに落選した写真家なのかただの客なのかはわからないがどうやら頭の中でダメ出ししていてしかも考えていることが声に出てしまっているようだ。

しかも挙動不審にキョロキョロとしながら、手はワナワナと震えているのである。

面白いやつ見つけた。

僕はこのエレキテルに付いて展示を回ることにした。

エレキテルはその日計4回、心の声を外に漏らした。

 

「チッ この手法はやり尽くされてるっての」

「知ってるし。シンディーシャーマンだし」

「その写真はもう古いんだよ」

「だからそれじゃダメだっつの チッ」

 

そしてなぜか最後まで展示を見ずに震えながら小走りに美術館を出て行った。

完全にイカれている。

しかし結局僕もエレキテルに意識を集中しすぎてあまり後半の展示を覚えていない。同類。

そしてコンテストはエレキテルがダメ出ししまくっていた女性写真家が優勝、賞金100万円と若手日本一の称号を手にした。

 

エレキテル、、、無念。

 

帰り道は雨がすっかりあがり、空がとっても綺麗だったので星野源の「夢の外へ」を大声で歌って帰った。

 

 

 

 

第10回

僕は何でも記録する癖があって、自分がその時その時で思ったことは日記のようにして毎日メモしているし、自分がその日着ていた服は全て、何を着ていたか、どこのブランドのサイズは何だったかまで全て記録して残している。お笑いライブに出た映像や音声も可能な限り録画して全て残している。(昔はセックスまで録音していたが、昔の彼女に激怒されて全てデータを消されてしまったので今は残っていない)

そうして記録するすることで自分がどういう経緯で今こうして生きているのか、どれだけ成長できたのか、どれだけサボったのか、自分はどれだけ頑張れる人間で、どれだけ怠け者で汚い部分があるのか、全て受け止めたいし忘れたくないのだ。

昔組んでいたのバンドのライブを録画したDVDを見ている。

そう、かつて僕はバンドマンだった。

 

14年前の僕が客席に向かって叫んでいる

「お前ら暴れないのか暴れることができないのかどっちの人間?じゃあ次の曲!暴れろー!!!」

 

12年前の僕が叫んでいる

「お前ら、夢を持つことに誇りをもてよ!!オラー!!」

 

あきらかに若気の至りで調子に乗って、サングラスをして金色の髪をした僕が何の根拠もない人生論を恥ずかしげもなく自信満々に叫んでいる。僕はバカだった。自分がしっかりとした信念をもって生きていると思い込むことでしか自分の内にあるものを表現できなかったのだ。「この人、信念をもった人だ」と思われたくて考えた結果が「僕は信念を持っている!」と叫ぶだなんて、芸がなく実に浅い。本当は自分には何もないくせに、自分だけのために、自分を守るためにわざわざステージに立って「僕は何かを持っている!」と少ない客に訴えるのってなんというか、惨めだ。

 

写真1

(惨めな男 )

 

そして

 

10年前の僕が客席に向かってこう言っていた

「 みなさん、すいませんでした。最後の曲、聞いて下さい。「つぐない」 」

 

・・・

いったいこいつに何があったんだ 笑

 

自分のことながら笑ってしまった。忙しいやつだ。

 

毎日精進してすこやかにほがらかに誠実に頑張っていきます。

 

今月31歳。

 

 

 

第9回

 

「はい、ナス炒め定食お待ちどうさま」

 

店主であろうおじいさんは手をプルプルとふるわせながら、モツ炒め定食を注文した僕の目の前にそれをカタリと置く。左、そして右と他の客に目をやると、左はサバ焼きをアテに冷酒をちびちびやっているジジイと、右は食事を終えてそろそろ帰ろっかと相談しあうジャージのカップル。

どうやら僕で間違いないようだ。

もし、僕が「あ、すいません自分モツ炒めっす」と言えばこのナス炒めはどうなる?

まさか「オッケーそれじゃあ私がいっただっきまーす!」とジジイは言わない。

きっと9割の確率でゴミ箱行きだろう。

せっかく作ったこの料理は僕のたった一言でゴミになる。

 

携帯で「ナス 栄養」と調べる。

検索・・・主成分は糖質で、ビタミンはA、B1、B2、Cをごく少量含む。抗酸化の作用とともに、血栓ができるのを防いだり、目の疲労を改善する効果。

まぁ、、一人暮らしは野菜が不足しがちだし、な。

しぶしぶぱくぱく・・・

 

食後

「お会計お願いします」「はいどうも。850円です」

モツ炒めは750円。

おいおい、間違えられた上に値段もナス炒めのほうが高いのかよ。しかし、今さらモツ炒めだったとは、、いえない。「ありがとです、また来ます」と言って店を出た。

 

帰り道で思う。

僕はいつからこんなに弱くなった?

 

ここでこの動画を見てもらいたい。

 

 

歌っているのは12年前の僕。

そう、18歳の僕は

「おいお前ら!行くぞ!ゲットバックソウルゥー!!」

パンクだった。眉毛を剃り、鋲のついた衣服をまとい、「自分の弱さをぶち殺せ!」などと叫び狂っていた。

 

それがなんだ、30歳を越えて店員の注文の取り間違いすら訂正することすらできないのか。

おい、松本、今こそ本当の自分を取り戻せ!自分の弱さをぶち殺せ!!そうだろ?

いや、待てよ。ジジイに「モツ炒めだコラァ!!」と叫ぶ姿が本当の自分か?

確かにヤツは注文を聞き間違った。しかしヤツはあんなに手をプルプルとさせながら、しかしそれは芸術と言える熟練の手つきでナス炒めを作り僕の元へ運んできてくれたじゃないか。その行為や姿勢に罪はないはずだ。それを批判することが正義か?いやそんなはずがない!!

 

つまり、

 

このままでいい。

 

弱い自分も本当の自分。

 

 

第8回

 

いつだったかも忘れるほど小さい頃、夏の夜、親父がドングリの木を何度も蹴って落ちてきた大きな虫。親父がそれを手に取り僕に見せた。

「ミヤマクワガタ。どうだ、かっこいいだろ?」

「か、かっけー!!!」

 

あの日から毎年かかさず夏は山に登ってる。

30歳になって、ずいぶん捕まえるのにも慣れてきたよ。今年は特に大漁だった。

 

写真 1

 

写真 2

 

写真 3

 

そして思いがけない出会い

林の中からガサガサと音がした。友人と僕は目を合わしツバをゴクリと飲み込み身構える。持っていた懐中電灯を武器として使おうと振りかぶる。

すると

 

写真 4

 

ウリ坊が3匹

友人とキョトンと目を合わしどちらからでもなくニヤリ、すぐに僕らはギャハハと大きく笑いだす。そして友人がハッと気付いてあわてて言う。

「近くに親がいたらヤバい!逃げろ!!」

「ギャアア!!」

二人は走って山を降りた。

 

 

 

・・・田舎が好きだ。僕は都会で暮らしてる。田舎に戻るのは嫌だ。なぜ?ここには何も無い。でも何かあるから帰るし毎年登ってるんだろ?

うん、だから、たまに帰る田舎が好き。

欲張りだね。

 

よし、明日からまた頑張ろう。