ついに発表できる日が来ました。
松本時代初の書籍『電車は止まらない』が2022年3月末日より全国の書店に並びます。
(といっても新人作家ですので大きな本屋さんなどでしか取り扱われないと思いますが、そういうのも、単館上映から始まる映画のようでワクワクしています)
気づけば
写真を初めて20年、ようやっとこれが僕のデビュー作です。
デビュー作
・・・・・はて
そう言ったものの、デビューとは何をもってデビューというのか。
これって写真家だけの話じゃないですよね。絵描きだってバンドだって料理人だって芸人だって、全ての作り手にとって、デビューといえるのはいったいいつなのか。今の時代は特に、そのスタートラインがかなり曖昧ですよね。
例えばTikTokで自作の歌を何気なくアップしたらいきなりバズって2、3個の動画だけでフォロワーが何十万人まで膨れ上がったなんて話はザラに聞くわけで、それじゃあ、その人のデビューははじめてTikTokに自分の歌をアップした日を指すのか。写真家と名乗る人にしても、今はインスタグラムなどのSNSから火がつく人の方が圧倒的に多いわけで、仕事はしていなくても、「プロより影響力のある素人」が沢山いるので話はややこしい。
まさに個が力を持つ時代ってやつですね。
なんなら最近は、大手メジャーレコード会社の新人ミュージシャン発掘オーディションの応募要項にだって
「SNSのフォロワー◯万人以上の方のみ応募してください」
なんて書いてあったりします。
要するに、売れるか売れないかも分からない余計な在庫を抱えるつもりはない、まずは採算が取れるくらいの価値を自分で付けてから来てくださいねってことです。
それを見て、新人を育てて売れる商品にしていくのがお前らの仕事だろうが!って怒れるワナビーの気持ちも分かるし、そんな余裕ねーんだよ!最低限自分を磨いてから来いやっていう会社側の気持ちも分かる。
そもそも個人で何十万人もフォロワーを付けられるほど実力のある人が、レコード会社に所属する必要があるのか、という疑問もある。
そんな中で、昭和生まれの古い考えの僕には、やっぱりデビューといえば、バンドマンなら街のCDショップに自分の名前がクレジットされたCDが並ぶ、写真家なら、自分の著書が本屋さんに並んだ日。これがデビューなんだという考えが体に染み込んでいまして、だから、もちろん僕もSNSで日々情報の発信はしているものの、写真家としてまずは自分の作品を出版社から流通させたい、と、これまで出版社に数多くの作品持ち込みをしてきて・・・
・・・気づけば僕は38歳のオッサンになってました。
だいぶ予定は狂ったけど、写真を始めて20年、おっさん、ついにデビューします。
ヒーローは遅れてやってくる。それにしても遅れすぎた。
僕の作品に商品としての価値があるのか、それは正直、今の自分には判断しかねます。
だけど、そんな僕に賭けてくださった出版元である芸術新聞社の皆さんには感謝しかありません。
実は、最初にこの作品を僕が芸術新聞社に持ち込んだのは去年の一月のことで、そこから一年以上かけて、僕の作品に親身になって、時には連日深夜まで及ぶ編集作業にも向き合ってくださいました。
結果、今の僕にはここが限界、というところまで作品を仕上げることができたと思います。実力以上のものができたところもあれば、最後まで納得いかなかった部分もある。でもきっと、それも含めてこれが今の自分の実力なのでしょう。この経験が、今後もっと僕を大きくしてくれると信じています。
帯の推薦文を書いて下さったリリー・フランキーさん。僕には贅沢すぎる言葉、本当に感謝しています。帯の言葉をいただいた経緯などについては、多くは語らないつもりです。リリーさんと僕では知名度に差がありすぎるので、自分の売名のためにリリーさんを利用するような真似だけは絶対にしたくないので。
だけど、今まで「いいか?背伸びするな、時代」ってずっと言われてきたから
「良い写真じゃん」ってはじめてリリーさんに褒められたとき、あぁ、間違ってなかったんだと心から安心しました。
あかん、書いてて泣きそうだ。
デビュー = つまり、まだここはスタート地点なのですが、今は最終入稿も済ませ、ようやく作業もひと段落し、少しだけホッとしています。だけど、休んでいる暇なんて僕にはないのです。ここからさらに飛躍していくためには、今の自分をぶっ壊さなくては先に進めないことは分かっています。
僕はやります。バカだけど自分を信じてこれからも前に進み続けます。
皆さん、僕の今を、そして僕のこれからを、応援してください。
まだまだこんなところじゃ、松本時代は止まらない。
これからもよろしくお願いします。
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https://amzn.asia/d/defhjuK
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「電車は止まらない」写真・文 松本時代
販売元 芸術新聞社
定価2.300円(+税)
帯/推薦文 リリー・フランキー
『世界の隅々で、人々は逞しく生きている。そして、この写真は、世界の片隅で、凄じく生きている』
プロモーションビデオ/♪BGM 中込陽大「ステップ」
映像制作 松本時代
■内容■
高度経済成長期ド真ん中にあるバングラデシュ首都ダッカで、貧困層が電車の屋根の上に乗って移動する文化が、法の規制により無くなるまでの一年半を、作者自身も電車の屋根に400回以上登り、歴史の転換期を記録した作品。「貧困層」と呼ばれる彼らと共に、屋根に乗って旅をした写真・エッセイ集
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