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第28回

 

大好きな先輩ピン芸人がお笑いの世界から引退した。

引退した、と言ってもスポーツ選手のようにホールで引退試合が行われるわけでもなければ、惜しむファンから抱えきれんほどの花束を送られるわけでもない。ただ「辞めます」と自分の口から放った。売れていないお笑い芸人の最後なんてとてもとてもあっけないものだ。決意を固めてフルフルと所属事務所のドアを開けて、「辞めます」と言えば、事務所の受付の人がカタカタとデスクトップの所属タレントの欄から自分の名前をdeleteキー1タッチで消して、「お疲れさまでした」・・・ただそれだけなのだ。僕も以前はこの先輩と同じ事務所に所属していたから(現在はフリー)辞める際のあっけなさはよく知っているし、本当に驚かされた。先輩の引退理由は、僕も前回のブログでさんざジメジメと綴ったお笑いのコンテストの結果を受けてだ。結果は残酷だ。「それでも続けていれば、、、」いや、ことお笑いに関しては間違ってもその言葉は使えない。十何年もかかって売れたスギちゃんさんだってバイきんぐさんだって、世間的に売れてはいなかったけど、当時から水面下では圧倒的に評価されていたんだよ。評価されて評価されてようやく売れる人はいても、ずーーーーーーーっと評価されずに十年以上経って突然ポンっと売れる芸人なんていないよ。例外はあるだろうけどね。

姑息な僕って男は合計5年間事務所に所属して、このままお笑い「だけ」をやっていたらとんでもない失敗をする!と危機を感じて事務所を辞めて、現在はフリーの芸人という形で舞台に立ち、それまでやっていた写真やデザインの仕事も復活させたりとコソコソと動き回っている。だから純粋にお笑い「だけ」をやっていた先輩の引退までの苦悩や葛藤を100%理解してあげることはできない、というかそんな資格はないと思っている。

6年近く前だった。当時たった一つの笑いさえも取ることのできなかった僕は、いわゆる(周りの友達におもしろいって言われて調子に乗ってお笑いの世界に入ったイタい奴)の典型で、さらに人付き合いも決して得意でない僕は完全に周りから孤立していた。ある事務所ライブの日、その日も僕は周りに溶け込めずに一人で出番まで非常階段で携帯をイジっていると「変なネタばっかりやってる子だよね?僕は面白いと思うけどなぁ」突然話しかけられた。振り向くと先輩。「はぁ・・」と愛想なく返したけれど内心沸くほど嬉しかった。だって初めて知らない人から面白いって言われたのだから。いや、というか多分ね、その時は先輩も全くウケていなくて周りから変わり者扱いされていたから、同じように孤立している者同士、傷を舐め合おうと僕に話しかけたんだねきっと。それでも、ほんと嬉しかったんだ。

毎回先輩の企画ライブにも呼んでもらって、僕は本当にたくさんのこと勉強できたよ。感謝してる。

先輩と初めて話してから3年後、2012年ピン芸人のコンテストの3回戦、会場は日本で一番大きくて日本で一番有名なお笑いの劇場なんばグランド花月。1000人の観客を前にドカーン!!という大ウケを取る先輩の姿を見て涙が止まらなかったのはきっとあの会場で僕だけだったんじゃないかなぁ。めちゃくちゃカッコ良かった。そして先輩を変わり者扱いしていたバカでアホで稚拙でクソ以下のゴミ芸人どもに「ざまーみろ」と心から思ったんだ。

そんな中の引退で本当に残念だけど、少なくても僕は知っていますよ、アナタはめちゃくちゃおもしろい!それはいつか僕が証明してあげます。どういう形でかはもう決めてあるのだけど今は内緒。そのために僕は今の8億倍勉強してもっと先に進まないと、、

・・・

う〜ん、なんだか湿っぽくなってしまったなぁ。

よし、せめて、彼の美しいこれからを祈願して、大きな旗を振ってあげよう。

 

フレー! フレー!

 

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↑ 先輩

 

フレー! フレー!

 

第27回

 

いやはや、あっという間の3日間だった。

あるお笑いの大会に出演するための帰阪だったのだけど、色んなことを考えて、また、色んなことを思い出した3日間でもあった。結果は2回戦で敗退。ベストは尽くしたと思う。だけど2回戦でダメだった。だから、なんて表現すれば伝わるのだろう、悔しいというよりはポーンと霊魂が目の前に抜け出たように思考が鈍く、今もまだ落ち込むことができずにいる。大会で負けた時、今までの僕なら「違うネタをやっていたら」「最初のセリフをもっと変えていれば」「出順が違っていたら」みたいな後悔のタラレバを1年は引きづりながら次の大会まで過ごしていたはずだ。だけど今回は、落ち込むことさえできずにいるのだ。

出順は、一番難しいとされるブロックの1番最初だった。そりゃそうだ、どこの誰かともわからないフリーの芸人を良い出順には置かない。だけど、その出順なんて物ともせずに圧倒的なウケを取ることができていれば、審査員から倍以上の評価が得られる出順だったとも言える。そして僕は、この出順をプラスに変えることができなかった。

14時からの出番を、朝9時過ぎには大阪に着いて、梅田にある建築現場のだだっ広い駐車場で、今まで何万回練習したかもわからないとっておきの2分ネタを100回以上練習して最後に頭に叩き込んで本番に臨んだ。そして出囃子が鳴ってステージに立って、下げ囃子が鳴ってステージを終えるまでの約2分の出来事、僕は何も覚えていないんだ。僕が覚えていなくても結果発表が教えてくれた「不合格」。ステージから降りた直後の僕に知人が笑いながらこう言った。「なんで目、血走ってんねん 笑」 その言葉で初めて気付く、競走馬でいうところの入れ込み過ぎだったというわけだ。僕はあまりにもこの大会に賭けすぎていた。頭でっかちな僕にはお似合いな結末。

帰りの楽屋廊下の先に、大阪では誰もが天才と言う若干21歳のピン芸人が後に出番を控えて、壁に向かってブツブツと精神統一しているのが見えた。この子は18歳の時に初めてこの大会に出ていきなり準決勝まで行った。ネタはオーソドックスタイプではなく彼しか思いつかないようなトリッキーなボケを連発する「センス型」で、信じられないような爆笑を取る。いつ売れてもおかしくないと本当に誰もが言っている。帰り際、そんな彼を見かけて31歳の負け犬はどう思った?  羨ましい?アイツみたいになりたい?お近づきになりたい?アイツの脳みそ半分分けてほしい?

「俺のほうがすげーんじゃ! 今に見てろよ!絶対負けへんからな!」

俺はな、今は何もない男だけれど、評価されてる人間の足を引っ張ったり、妬ましい目で相手の失敗を願うようなカスと違うんだ。自分がやるしかない。俺は俺を燃やし、才能ある奴より8万倍努力して、とんでもなく上に行くからな!! メラメラと闘志を燃やし、ボウボウと燃えた目で見ていると、彼がくるっと振り返って俺と目が合った。彼は俺を見て一瞬「誰だっけ」という表情をしてから丁寧にペコッと軽く頭を下げてまた壁に向かった。 俺は会場を出てから叫んだ。

「(才能あるうえに)良い奴なんかい!!!!ちきしょー!!!!」

 

というわけで出直しだ。24時間おもしろいこと、たくさん考えるんだ。たくさんやるんだ。たくさん作るんだ。たくさん書くんだ。

・・・しかしあれですね、ずっと欲を抑えて自分のことを最優先に考え、彼女とも別れ、(今もだけど)自分だけの勝手な世界に閉じこもっていたから、たまには、女性とイチャイチャなんかしたいものですね。そんな気分です。

えーー、、というわけで、僕に連絡先を知られてしまっている女性の皆さん。本日1月18日から2月18日くらいまでの1ヶ月の間で、僕から連絡があった場合、限りなく100%の割合で性的な関係を求めております。ご都合が悪ければ着信拒否、LINEは既読スルー、または完全に縁を切る等の対応でよろしくお願い致します。

当方、酒に酔わして抱くといった古典的で姑息な手段を主に使います。

今年も宜しく。

 

以上 松本時代(ジェダイ)

第26回

 

飲食店の、満席時のウェイティング対応。名前と人数を店員に言って、席が空くまで外で待つ古から続くシステム。

「お客様、失礼ですがお名前と人数をお教え下さい」

こんなどこにでもある簡単なシステムでも、トラブルというのは生まれるものだ。

おい、名前が珍しい奴はしっかり自分の名前を言えや。お前の名前が聞き取られないのは、店員の能力が低いからではなくお前の滑舌が悪いんじゃ! え? って店員に聞き返されて、不機嫌な顔をするな!むかつくんじゃ! 仮に名前が喜屋武(きゃん 沖縄によくいる苗字だね)だとして、きゃんです、といきなり言われたら、そりゃ聞き返すだろうが!

一昨日 自身のアルバイト先の居酒屋でのウェイティング対応、名前を伺ったのはネパール人留学生の店員。席が空く。テーブルをセット。僕が空いた席に客を案内する。

「大変お待たせしました、お待ちの・・・ダ・・ダディ様。ダディ様いらっしゃいますか?」

「・・・田尻ですけど」

・・・・

おい、留学生。田尻とDADDYを聞き間違えるな!聞き返せ!この場合は10000%で貴様の能力が低い!

恥ずかしいわ!

久しぶりに真っ赤になった。

 

ーーーーー

 

今から3日間大阪に行って参ります。

大事な大事な用事があるんだ!

 

 

第25回

 

男性諸君、不安になったことはないだろうか。自分のちんちんが小さいんじゃないかと。

わかる、わかるぞ。いざ本番行為になった時にパンツを脱いで、女性から半笑いで「あ、小さいんだね 笑」なんて言われた日にゃあ、その後数年はトラウマで駅のトイレで小便をすることすらできない体になってしまうだろう。わかるぞ、男ってのは繊細で傷付きやすい生き物だ。しかし落ち込むのはまだ早い。君はまず、全体の平均を知らなくてはいけない。自分の周りのバカな友人の2、3本なんかじゃなく、もっと様々な年齢層のちんちんを。

僕は2年前まで大型カプセルホテル&サウナでバイトしていた。繁盛している店だったので毎晩500人近いお客さんが宿泊していて、仮にその内400人が風呂に入るとして、1日400本のちんちんを拝むことができるわけで、僕は週4でバイトしていたので400×週4、2年間働いていたので400×4×24=なんと38.400本! バイト初日は思わず目を反らしてしまった知らない人のちんちんも1ヶ月もすればまるで何も感じなくなる。(感度という意味ではない)慣れって怖いね。

世の中には本当に様々なちんちんがある。大きいちんちん小さいちんちん、夏のちんちん冬のちんちん、オカマのちんちん。埋もれたちんちん。異国のちんちん・・・

そしてある疑問にたどり着く。

ちんちん云々の前に、なんて不潔なパンツを履いている奴が多いのだろう。と。

全体の80%がゴムがゆるゆるに伸びた、洗ってるのかも定かでないような擦れた汚いパンツを当たり前のように履いている。パンツなんて見えないからいいじゃん? ふざけるな!どうせ女房の前でしか脱ぎませんし?女房だって女じゃカス!どれだけ醜く太り、老いていたとしても・・・そして15%がノーマルのボクサーパンツかトランクス(ドンキで売ってるようなBODY WILDとかanvilあたりのブランド) そして5%が買ったばかりであろう綺麗なパンツ。オラオラ系のヤンキーは以外に皆、綺麗なパンツを履いているぞ。脱ぐことも多いんだろうね。オラオラだし。

ここでハッと気付く。

パンツの清潔さは、校内ヒエラルキーにも比例している!!!!

つまり

学校の1軍男子は綺麗なパンツ(5%)

2軍は普通のパンツ(15%)

その他、ゆるゆるのパンツ、穴開き靴下など(80%)

要は女性を意識しているかいないかなんだ!

そう、全てのダサ男子たちよ!ゆるゆるパンツを捨てろ!街のユニクロへ行こう!

1000円で3枚のパンツを3セット購入しよう!

さすれば君の人生の扉は・・開く!!!!!!!!

 

え、ちんちんの大きさの話はどこにいったんだって?あぁ、それならいつか僕を見かけたら、目の前でパンツをずり下げてちんちんを見せてみろ。

 

警察に通報してやる。

 

 

第24回

 

コントで使う小道具でアリの触覚を作っている。本番で使うのは一つだけ。

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おもしろいもんで触覚の長さや微妙な素材の違いでウケかたが違ってくるんだ。だから試作品を何個も作って一つ一つを実際に舞台で試す必要がある。その試す客の層もライブによって様々だから、一度爆発的にウケたネタが次のライブでややウケで終わることもあるし、だから何度も試して「ある程度誰にでもウケるライン」を探して、大事な賞レースの本番に挑む。地味な作業だ。

僕が以前作ったネタに「癌告知」というのがあって、これは医者が患者に余命を宣告するというベッタベタな設定のコントなのだけど(僕は患者)、このネタが出来た当時

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(当時)

ネタは方程式的に絶対間違っていないはずなのに何度試してもピクリともウケなかった。「あと一回だけライブで試してダメだったらお蔵入り」と決めたライブの前日、ある方の法事に参加するために髪の色を黒に戻した。さすがに緑色の髪での参加は失礼かなって。で、次の日のライブ、これがドッカンドッカンウケた。そこでバカな僕はようやく気付く。「あっ、癌で余命を宣告される患者の髪が緑色なのが不自然だったんだ!」

客は案外見ている。お笑いの世界だって演劇の世界だって漫画や音楽の世界だって、業界にいる人はみんな言う「客はバカだからそこに合わせないと・・」僕もそう思う。でもそのバカは「純粋」って言葉に置き換えられると思うんだ。つまり「客は純粋だから、違和感があると内容が頭に入らない」ってこと。

髪の色が緑なんてのは僕の奢り、傲慢、つまりエゴだった。どこかにかっこいいと思われたい自分がいた。そんなものはいらないや。舞台衣装の靴もドクターマーチンだったけど、ブーツもエゴ、今は黒い無地のキャンバススニーカーで出てる。シャツも無地。パンツも無地。僕は一人コントだから繊細だ。余計な情報を客に与えない。「伝える」ことが最優先。捨てる作業が大事なんだって気付くのに長くかかった。

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というわけでお笑いの世界に入ろうと決意したこの男は7年で

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こうなった。

いや、誰やねん 笑

 

2015年、楽しいことたくさんたくさん計画中なんだ。ほんとだよ。嘘じゃない。

僕は「おもしろい」ものを作りたいんだ。おもしろければなんでもいい。何度も言うけど捨てる作業が大事ってことに気付いたんだ。

僕はちょっと強いぜ。

 

あけおめことよろで、どうぞ、どうぞ。