第14回

 

ない!…ないないないない!なーい!!!

僕が普段持ち歩くカバンの中には

2年前東京に再びやってくる際に友人達からもらったカンパが入っていた封筒(封筒には頑張れ!とサインペンで書かれていて感動的)、尊敬する人が何気に書いたメモ、最高に良いことが書かれまくっていたおみくじ2つ、そして2年前まで約10年間もお付き合いしていた女性から最後に会った日にもらったお守り・・・僕は基本的に女々しい男なので、いつもカバンにお守り(となるようなもの)をたくさん持っている。なんというか、大切な人達がいつも見守ってくれているような気になるし、もっと高いところへ僕が一緒に連れていってやるとも思っているし、まぁ単純にそういう気持ちの入ったものを捨てることなんてできないのだ。で、さっき雨で濡れてしまったカバンから荷物を出して整理していたところ

ない!…ないないないない!なーい!!!

最後に会った日「もう松本くんと一緒に過ごすことはないけれど、アナタはアナタのやりたいことをたくさん頑張って成功させてね。大丈夫アナタは頑張りやさんだもん」と言って僕に手渡してくれた、約10年間もお付き合いしていた女性からもらった芸道上達祈願のお守りが、ない!!はわわっ!!

・・・あ、そうか でもこれはお守りを無くす → 僕との縁が切れる、つまり、新しい彼氏ができたかもしくは結婚が決まったとか、そういう知らせなのかなと、彼女が新しい一歩を歩み始めたことをお守りが知らせてくれたのだとしたらとてもめでたいことじゃないか!と思って、女々しい僕は久しぶりにその子にメールして確認してみることにした。

「久しぶり。あの、突然なんだけど、最近何かいいことあった?」

するとしばらくして返信

「昨日、50対50の街コン行きました!」

 

・・・街コン

う〜ん、なんだかなぁ

ちぇーっ

 

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あるまじろぉ〜

 

第13回

 

今日の俺は気分がいい。

普段一人称が「僕」である俺が一人称を「俺」と言う時、それは気分がいい時だけだ。理由はないがなぜか気分が良い時だけ俺は俺のことを「俺」と言ってしまう。で、なぜ気分がいいかは、言わない。言ってしまうと「いい気分」が逃げていってしまいそうだからだ。しかし経験から分かる、「俺」の効力は長くは続かない。多分明日には「僕」に戻っているだろう。

気分がいいと心に余裕ができる。

さっきも方南町で深夜、歩道と横断歩道の間にある段でつまずいて倒れたオバさんにスッと手を差し出し、「大丈夫ですか?」と声をかけた。気分がいいと俺も人並みにそんなことができる。普段はしない。知らない人を触るのが嫌だからだ。まぁ、そのオバさんが手を差し伸べた俺を無視して起き上がり歩き出した時は一瞬「僕」に戻りそうだったがなんとか持ちこたえた。

あ、でも大丈夫。大金手に入れたとか、仕事が軌道に乗りそうとか、そういう類いのいいことが起こったわけではない。相変わらず生活はカス以下だ。安定の低空飛行。はっはっは。

 

…なにがあったか言ってしまおうか。

うん、言ってしまおう!

実は今日、好きな女性と少し会話をしたのだが、最初会った時落ち込んでいた(らしい)彼女が別れぎわ明るく笑って「元気でました!」と言ったのである。ただそれだけ。彼女は話せるなら誰でも良かったのかもしれない。しかし!俺と会話をして暗い気持ちが軽くなったのが事実だとしたらそれはつまり!俺に生きている価値があるということだ。

セックスなんてしなくていい。オナニーで充分だ。彼女が笑ってくれただけで俺は超絶ウルトラハッピーだ。

綺麗ごとを言いたいわけじゃない。(今、松本カッコつけやがってと思った奴は全員死になさい)

ほんとそれだけでハッピーなんだよ俺は。

一つだけ欲を言うなら…

君の彼氏になりたい。

僕は君の彼氏になりたい。