なぜだかはわからない。理由はない。ただハラハラとした興奮が欲しいのかもしれない。
例えば50メートルくらいある道を突き当たりまで歩いているとして、ボクはふと思うのだ。
「この道の突き当たりまで決して振り返ってはならない。もし振り返ったら、必ず死ぬ」
通い慣れた通学路、または仕事先で初めて訪れた見知らぬ道でそんな意味のない制約を自分に設けてみる。
するとどうだろう、たった一つの簡単なルールを科しただけですごく、すごく振り返りたくなるのだ。
あぁ振り返りたい でも振り返ったら 死ぬ 必ず。
怖い 恐ろしい でも振り返りたい。あぁ! 頑張れ社長! 振り返るな!!!!
そして精神をどうにか正常に保ち、汗はビッチョリ道の突き当たりまでやっとの思いで来た所で一言
「ふぅ〜 助かったぁ!!危ね〜!」
・・・いつからだったかボクはそんな意味のない遊び?をするようになった。理由なんてない。1年に2、3回突然頭に降りてくるのだ「この道を〜」
高校の頃、ボクはホンダのジャズというバイクに乗っていて
バイト終わりの車が一台も走っていない国道でふと例のが頭に降りてきた。しかもさらに厳しいルールを足して!
「この道をアクセル全開フルスピードで15秒だけ目を閉じて走る。目を閉じなければ必ず死ぬ」
ドクン ドクン おいおいマジかよ なんてことを思いつくんだ時代くん。ヤベーこれはさすがにヤベー
自分で勝手に思いついたことなんだからそんな意味のないことやらなきゃいーじゃん と思うでしょう?
しかし皆さんが思っている数十倍、高校生の頃の社長はバカだった。
冬なのに背中の汗が滝のように流れるのを感じる。
恐る恐るボクはアクセルを回し目をスッっと閉じて
1 2 3 4 5 6 7 8
ガシャァアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
事故った。
グワングワンとバイクの前輪が5メートルくらい向こうで悲鳴をあげている。
そして思った。
・・・目を閉じても閉じなくても死ぬっつの・・・
腰痛持ちのおじいちゃんが病院に行ってもらってきた湿布を全身に貼ってボクはその日寝る前思った。
ボク・・・バカだぁ・・
なんて意味のない青春
しかし意味がないからこその青春
青春とは無知であるからこその輝き
あぁ あぁ
とまぁ、結局なにが言いてーんだよテメーは!と思ったアナタ まぁ落ち着いて
今日は一人でツーリングに行く予定なんだ。近場だけどね。
例のやつが降りてこないことを 祈る。