こんなはずではなかった。
22歳から24歳まで東京で売れないカメラマンをやっていたボクは写真の仕事をスッパリ辞めて、(なぜか突然に)お笑い芸人になるべく大阪に渡って4年、、今度は売れないお笑い芸人生活をモンモンと過ごしていたある日
「はい…もしもし?」
「もしもしジェダイ? 久しぶり!あのさ、突然なんだけどね、今度僕たちのバンドの写真をね、是非君に撮ってほしいと思ってるんだ」
「いやぁ、お気持ちはありがたいんですがねぇ。カメラは全部売っちゃったし第一、ボクこの4年間で1回もカメラ触ってない、言ったらほぼ素人なもんでねぇ…」
「あ、担当の人が隣にいるから変わるね」
「は、はぁ・・・」
「・・・あ、もしもしお電話変わりましたレコード会社○○の△と申します。今回の撮影のギャラは8万円と東京までの交通費、新幹線往復で11万円でよろしくお願いできますでしょうか?」
「はい!!よろしくお願いします!!あと、機材費も別途請求させてもらってもよろしいでしょうか!?」
単純な男である。
それまでカメラマンとしては取っ払いで1万円前後のギャラしかもらったことがない男に偶然入った仕事のギャラが8マンエン。 僕、思ったんだよね。
「え、こんな仕事が月に5、6本もあれば、かなりいい暮らしできるんでねぇの?イイクラシ…ハァハァ…ゴクリ(生唾)。よし、もう一度東京に行こう!東京 でもお笑い芸人はできるし充分両立できる(多分)。とにかくコイツら(バンド)を離してなるものか!寄生して養分チューチュー吸い上げて干物にして軒先に 吊るしてやっから覚悟しろや!ケーケッケッケ!!!!!」
ってなもんで突然金持ちになったボクはニタニタとしながら街に出て16マンエンの 純銀のウォレットチェーンを購入。その足で別の店で7マンエンのレザージャケットを購入。休む間もなくビンテージのレイバンのサングラス(3マンエン)を オークションで落札!あ、そうだ、これから金を産み続ける武器が必要だ!と30マンエンでカメラ購入…
さぁて、忙しくなるぞぉ
ガーハッハッハッハ!!!!!!!!!!!!!!
・・・それから2年
「お兄さんハラミ1人前!塩で!」
「はい、よろこんでぇ!」
「あ、お兄さんこっちもビール!」
「よろこんでぇ!」
・・・いつだ いつ道を踏み外した?
なぜ僕は30歳になって週4で1日11時間ゴリゴリのアルバイトをしている?
「いや、違う違う!だから!お肉はもうちょっと綺麗に盛り付けて飾りのししとうは左端だってば!」
「オー ソーリー!マツモト!」
「さん、だ!マツモトさんと言え!」
「ソーリー!マツモト!」
・・・なぜだ なぜオレは外国人留学生にキッチンを教えている?
なぜ教えられるほどにベテランになっている?
カメラ? 押し入れに眠っている。月に1、2回申し訳程度に顔を出すくらいだ。
金? 早く借金返せという封書が毎月ポストに入っている。
・・・なんだこれ
なんだこれはぁあ!!!?
思ってたのと全然違うじゃねぇかぁああ!!!!!!!!!!!!!!!
オレは大金持ちに!シャチョウになるはずだったのにぃいいいい!!!
シャチョォオー!!
シャ チョォオー!!
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と、まあ地団駄踏んでも当分先は見えそうにないので、まず先に自分のことを「社長」と呼んで「時代事務所」という架空の事務所、ホームページを作るに至りました。
このブログではボク、「社長」こと松本時代が本当の「時代事務所」を設立するまでの軌跡を、これからおこる奇跡をみなさんと共有できればと思っています。
まぁ、その「奇跡」ってやつが起こせなければシレッと消えるつもり
地元和歌山県の同級生に「オレと一緒に介護施設への弁当宅配のビジネスで儲けないか?」としつこく誘われてるのでね。
なにも更新がなくなった時はきっと弁当配達やり始めたのでしょう。
どうぞこれから、よろしく。
2014年5月22日
松本時代